総務担当者のための Claude Code 活用術|議事録・報告書・社内文書を半分の時間で仕上げる方法

冒頭

従業員30人の製造業で総務を1人で担当している方がいるとする。毎週の経営会議、月2回の安全衛生委員会、月1回の全体朝礼。そのたびに議事録を作り、関係者に配る。さらに月末には月次報告書、四半期ごとに就業規則の見直し、年度末には事業報告書。「文書を作る」だけで週に10時間以上かかっている。本来やりたい労務管理や社員対応の時間が圧迫されている。

この記事では、Claude Code(AIエージェント)を使って、総務の文書作成業務にかかる時間を半分に減らす具体的な方法を紹介する。プログラミングの知識は一切不要。パソコンで文字が打てれば使える。

この記事で分かること:

  • 議事録を会議メモから5分で仕上げる方法
  • 月次報告書の定型部分を自動生成する手順
  • 社内通知・規程文書のたたき台を一瞬で作るプロンプト例
  • 総務担当者がよく感じる不安への回答

記事の最後に、総務向けのプロンプト集(議事録・報告書・通知文の3テンプレート入り)を無料でダウンロードできる。

Claude Code で総務の文書作成がどう変わるか

Claude Code が総務の文書作成を変える3つのポイント

図: Claude Code が総務の文書作成を変える3つのポイント

Claude Code は、Anthropic(アンソロピック)というAI企業が作った AIエージェントだ。「エージェント」とは、あなたの指示を受けて、パソコン上のファイルを読んだり書いたり、複数の作業を自動でこなしてくれるAIのこと。

普通のチャットAI(ChatGPTやClaude Cowork)との最大の違いは、あなたのパソコンにあるファイルを直接読み書きできる点だ。議事録のWordファイルを読み込んで整形したり、報告書のテンプレートに数字を埋めて新しいファイルとして保存したりできる。

総務の文書作成で Claude Code が役立つ場面は、大きく3つある。

1つ目。会議メモから議事録への変換。会議中に走り書きしたメモや、音声文字起こしの生データを渡すと、「決定事項」「アクション(誰が・何を・いつまでに)」「次回の議題」に自動で整理してくれる。

2つ目。定型文書の一括生成。月次報告書や社内通知など、毎月フォーマットが同じ文書の「変わらない部分」を自動で埋めてくれる。あなたが入力するのは、その月に固有の数字や出来事だけで済む。

3つ目。過去の文書を活用した新規文書の作成。去年の事業報告書や既存の社内規程を読み込ませて「今年版のたたき台を作って」と指示すれば、構成やトーンを踏襲した下書きが出てくる。ゼロから書き始める必要がなくなる。

Claude Code の全体像については「Claude Code とは|非エンジニアが知っておきたい全体像」(/articles/501)で詳しく解説している。

議事録を会議メモから5分で仕上げる

議事録作成の手順(Claude Code 使用時)

図: 議事録作成の手順(Claude Code 使用時)

準備: 会議メモの取り方

議事録の質は「元のメモ」で決まる。Claude Code は優秀だが、メモに書かれていない情報は補えない。会議中は、次の3点だけを意識してメモを取る。

  • 誰が何を言ったか(発言者名 + 要旨)
  • 何が決まったか
  • 誰が何をやることになったか(担当者 + 期限)

きれいに書く必要はない。走り書きの箇条書きで十分だ。メモを取るツールは、Windowsのメモ帳でもWordでもスマホのメモアプリでも構わない。最終的にテキストファイル(.txt)として保存できればよい。

音声の文字起こしツール(Microsoft Teamsの自動文字起こし、CLOVA Note、notta など)を使っている場合は、その出力テキストをそのまま Claude Code に渡すこともできる。

実演: 経営会議の議事録を作る

会議メモが「経営会議メモ_0415.txt」というファイル名でパソコンに保存されているとする。Claude Code を起動して、次のように指示を出す。


(コピーして使えるプロンプト)

このフォルダにある「経営会議メモ_0415.txt」を読んで、以下の形式で議事録を作成してください。

会議名: 第42回 経営会議 日時: 2026年4月15日(水)10:00-11:30 場所: 本社3階 会議室A 出席者: (メモに名前があれば拾ってください)

形式:

  1. 決定事項(箇条書き、各項目に担当者名)
  2. 報告事項(発言者名付きで要約)
  3. アクションアイテム(担当者 / 内容 / 期限 の表形式)
  4. 次回の議題・日程

文体は「です・ます調」で統一してください。 出力ファイル名: 「議事録_経営会議_20260415.txt」


Claude Code はメモを読み込み、指定した形式に整形した議事録を新しいファイルとして保存してくれる。

ポイントは3つ

1つ目。フォーマットを具体的に指定すること。「議事録を作って」だけだと、Claude Code が独自のフォーマットで出力する。社内で決まったフォーマットがあるなら、それを指示に含める。

2つ目。出力ファイル名を指定すること。ファイル名を指定しないと、Claude Code が内容を画面に表示するだけで終わる場合がある。ファイルとして保存してもらえば、そのままメールに添付したり社内共有フォルダに置いたりできる。

3つ目。文体を指定すること。「です・ます調」「だ・である調」など、社内文書のトーンに合わせて指定する。

社内フォーマットのテンプレートを使う

毎回フォーマットを指示に書くのは手間がかかる。社内で決まった議事録のテンプレートがあるなら、それをテキストファイルとして保存しておき、Claude Code に「このテンプレートに合わせて」と指示するほうが効率的だ。


(コピーして使えるプロンプト)

「議事録テンプレート.txt」のフォーマットに合わせて、「経営会議メモ_0415.txt」の内容を議事録にしてください。

テンプレートの項目で、メモに情報がないものは「(該当なし)」と記入してください。 出力ファイル名: 「議事録_経営会議_20260415.txt」


こうしておけば、次回以降は同じ指示をコピーして、日付とメモのファイル名だけ変えれば済む。

Cowork(Web版)で議事録を作る場合との違い

Claude Cowork(ブラウザで使えるAIアシスタント)でも議事録の作成はできる。メモの内容をコピーしてチャット画面に貼り付ければ、同じように整形してくれる。

違いは「ファイルの扱い」だ。Cowork の場合、メモをコピー&ペーストで貼り付けて、出力もコピー&ペーストで取り出す必要がある。Claude Code の場合、ファイルを直接読み書きするので、コピー&ペーストの手間がない。

週に1〜2回の議事録なら Cowork でも十分。毎週3回以上の会議がある、または過去の議事録を参照しながら書く必要があるなら、Claude Code のほうが効率的だ。

Cowork との詳しい比較は「議事録を会議の直後に仕上げる|Claude Cowork で週5時間の手作業をなくす方法」(/articles/505)を参照してほしい。

月次報告書の定型部分を自動生成する

よくある月次報告書の構成

中小企業の総務が作る月次報告書には、たいてい次のような項目がある。

  • 従業員数の増減(入社・退職・異動)
  • 勤怠状況(残業時間、有休取得率)
  • 安全衛生(労災件数、健康診断の進捗)
  • 設備・施設の状況(修繕、備品購入)
  • 社内行事・研修の実施報告
  • 来月の予定

このうち「フォーマットの枠組み」と「定型的な文言」は毎月ほぼ同じだ。変わるのは数字と、その月に固有の出来事だけ。

実演: 4月の月次報告書を作る


(コピーして使えるプロンプト)

「月次報告書テンプレート.txt」を読んで、2026年4月分の総務月次報告書を作成してください。

以下の情報を反映してください:

従業員数: 期首32名、入社1名(田中太郎・営業部・4/1付)、退職0名、期末33名 残業: 全社平均18.5時間(前月比 -2.3時間) 有休取得率: 68%(前月65%) 労災: 0件 健康診断: 4/10に実施済み、受診率100% 備品購入: 複合機リース更新(月額35,000円→32,000円に減額交渉成功) 研修: 4/8 新入社員研修(1名参加)、4/15 ハラスメント防止研修(全社員対象・参加率94%) 来月の予定: 5/20 防災訓練、5月中に夏季賞与の原案作成

文体は「だ・である調」で、A4で2ページ以内に収まる分量にしてください。 出力ファイル名: 「月次報告書_総務_202604.txt」


Claude Code は、テンプレートの構成に沿って、あなたが渡した数字を組み込んだ報告書を作成する。定型的な前置きや締めの文言も、テンプレートに合わせて自動生成してくれる。

この方法のメリットは、あなたが入力する情報を「事実だけ」に絞れること。文章の体裁を整えたり、前月との比較文を書いたりする時間がなくなる。

前月の報告書を参照させる

前月分の報告書がファイルとして残っていれば、Claude Code に「先月との比較も入れて」と追加で指示できる。


(コピーして使えるプロンプト)

「月次報告書_総務_202603.txt」(3月分)も読んで、4月分の報告書に前月比の増減を記載してください。増減が大きい項目(前月比10%以上の変化)には簡単なコメントを付けてください。


過去の報告書を読み込ませることで、「残業時間が前月比 -2.3時間(-11%)減少。ハラスメント防止研修の実施に伴い、研修日の残業を抑制した効果と考えられる」のような分析コメントも自動で付けてくれる。もちろん、出力された分析が事実と合っているかは、あなたが確認する必要がある。

社内通知・規程文書のたたき台を一瞬で作る

Claude Code が得意な文書 vs 人間が書くべき文書

図: Claude Code が得意な文書 vs 人間が書くべき文書

社内通知の例: 夏季休暇の案内


(コピーして使えるプロンプト)

以下の情報をもとに、全社員向けの夏季休暇に関する社内通知を作成してください。

情報:

  • 夏季休暇期間: 2026年8月13日(木)〜8月16日(日)の4日間
  • 有休との組み合わせで最大9連休が可能(8/8金を有休にした場合)
  • 届出方法: 勤怠システムに8月分として入力。締切は7月31日
  • 問い合わせ先: 総務部 鈴木(内線201)

条件:

  • 件名付き
  • 丁寧だが堅すぎないトーン
  • 300文字以内
  • 社内メールとしてそのまま送れる形式

規程改定の例: テレワーク規程の見直し

既存の規程ファイルを読み込ませて、改定案のたたき台を作ることもできる。


(コピーして使えるプロンプト)

「テレワーク規程_現行版.txt」を読んで、以下の変更点を反映した改定案を作成してください。

変更点:

  • テレワーク可能日数を週2日から週3日に拡大
  • 申請方法を上長承認から事前届出制に変更
  • 通信費の補助を月額3,000円から5,000円に増額
  • フレックスタイムとの併用を可能にする条文を追加

出力形式:

  • 改定後の全文
  • 変更箇所には「(改定)」マークを付ける
  • 改定理由の要約(社内稟議に添付する用、200文字以内)

出力ファイル名: 「テレワーク規程_改定案_202604.txt」


注意点として、規程の改定案はあくまで「たたき台」だ。法的な整合性は社労士や顧問弁護士に確認してから正式に施行する必要がある。Claude Code は法律の専門家ではないので、「この条文で法的に問題ないか」という判断は人間の専門家に委ねる。

総務の文書作成を効率化するためのコツ

コツ1: フォルダ構成を整える

Claude Code はフォルダ内のファイルを読み書きする。総務の文書を種類別にフォルダで分けておくと、指示が出しやすくなる。

推奨するフォルダ構成の例:

  • 総務作業フォルダ/
    • 議事録/
      • 経営会議/
      • 安全衛生委員会/
    • 報告書/
      • 月次/
      • 四半期/
    • 社内通知/
    • 規程/
    • テンプレート/(議事録・報告書のテンプレートを置く)

ファイル名には日本語を使ってもよいが、日付部分は半角数字で統一しておくと管理しやすい(例: 議事録_経営会議_20260415.txt)。

コツ2: テンプレートを育てる

Claude Code が出力した議事録や報告書の中で「この形式がよかった」と思ったものは、テンプレートとして保存しておく。次回以降、そのテンプレートを指定するだけで同じ品質の出力が得られる。

テンプレートは最初から完璧を目指す必要はない。3回、4回と使ううちに「ここはこう変えたほうがいい」と気づくので、そのたびに少しずつ修正していけばいい。

コツ3: 複数ファイルをまとめて処理する

Claude Code は複数のファイルを同時に読み込める。たとえば、四半期報告書を作るときに、3か月分の月次報告書をまとめて読み込ませることができる。


(コピーして使えるプロンプト)

「月次報告書_総務_202604.txt」「月次報告書_総務_202605.txt」「月次報告書_総務_202606.txt」の3ファイルを読んで、2026年度第1四半期(4-6月)の総務部四半期報告書を作成してください。

内容:

  • 期間中の主な出来事(重要度順に5項目以内)
  • 従業員数の推移(月別の表)
  • 残業時間と有休取得率の推移(月別の表)
  • 来四半期の重点施策

出力ファイル名: 「四半期報告書_総務_2026Q1.txt」


月次報告書をきちんと作っておけば、四半期報告書は Claude Code がほぼ自動で作ってくれる。年度末の事業報告書も同様に、四半期報告書4本をまとめて読み込ませれば、たたき台が手に入る。

まとめ

総務の仕事の中で「文書を作る」時間は、想像以上に多い。議事録、報告書、社内通知、規程改定。どれも重要だが、フォーマットに沿って整える作業には創造性が必要ない。Claude Code は、その「整える作業」を引き受けてくれるツールだ。

まずは次の会議の議事録から試してみてほしい。メモを取り、ファイルを保存し、Claude Code に整形を頼む。それだけで30分かかっていた議事録が5分で仕上がる体験ができる。慣れてきたら月次報告書や社内通知にも広げていけばいい。

特典

この記事で紹介したプロンプトをすぐに使えるようにまとめた。議事録整形プロンプト(3パターン)、月次報告書生成プロンプト、社内通知作成プロンプトの計5テンプレートが入っている。コピーして日付とファイル名を書き換えるだけで、明日の会議から使える。

→ 総務向け Claude Code プロンプト集(5テンプレート入り)をダウンロードする(無料) /resources

参考リファレンス

  • Claude Works 関連記事:「Claude Code とは|非エンジニアが知っておきたい全体像」(/articles/501)
  • Claude Works 関連記事:「Claude Code 使い方|非エンジニアが初日にやるべき設定と実践ガイド」(/articles/504)
  • Claude Works 関連記事:「議事録を会議の直後に仕上げる|Claude Cowork で週5時間の手作業をなくす方法」(/articles/505)
  • Claude Works 関連記事:「Claude 料金プラン完全ガイド」(/articles/506)
  • Claude Works 関連記事:「Claude に社内情報を入れても大丈夫?」(/articles/512)
  • Claude Works 関連記事:「Claude Code を Windows で使う」(/articles/541)